気管支喘息・慢性的な咳、咳喘息

こんな症状でお困りではありませんか?

  • 呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューと鳴る(喘鳴)
  • 咳が中々おさまらない。咳がずっと続く。
  • 痰がずっと出る。
  • 息苦しさ、胸苦しさがある。
  • コロナ渦で咳や痰をしっかりと抑えたい。
  • 風邪をきっかけに咳が止まらない。
  • 夜間~明け方や天候・気温の変化で咳や痰、喘鳴、呼吸困難などの発作症状がでる。

気管支喘息・慢性的な咳・咳喘息ひとつでも当てはまる方は咳喘息あるいは気管支喘息の可能性があります。
気管支喘息は放っておくと死に関わる病気ですし、咳喘息は気管支喘息の手前の病気とも言われ、放っておくと気管支喘息に移行することもあります。
また昨今のコロナ渦では、風邪を引いていると勘違いをされたり、電車の中や会社の中など公共の場では咳をしにくい事も多くあると思います。
喘息治療のゴールは、喘息発作時の症状を抑えることではありません。
「喘息発作がおこらないようになり、健康な人と変わらない生活を送ること」
これが喘息治療の目標でありゴールです。 当院では、喘息症状がない日常生活を目指して一人ひとりに合った治療を提案させて頂きます。
喘息症状にお困りの方は是非、一度柿本耳鼻咽喉科にお越し下さい。

喘息とは?

喘息気道とは、呼吸した空気が通る道のことで、主に気管支を意味します。気管支は、内側から粘膜、粘膜下組織、平滑筋(筋肉)などでできています。

喘息炎症とは、腫れて赤くなっている状態をいいます。喘息患者さんの気道では、発作がないときでも炎症が起きていて、敏感な状態になり、少しの刺激であっても反応します。気管支の炎症が悪化すると、粘膜のむくみが生じて痰や咳が出たり、平滑筋が縮むことで、気道がさらに狭くなってしまいます。これによって空気が通りにくくなり、喘鳴や息苦しさなど、喘息のさまざまな症状が起こります。

喘息の症状

喘息の症状一般的に喘息は気管支喘息のことをさし、気管支(または気道)にアレルギー性の慢性炎症が生じ、気道が敏感(過敏性)になる病気です。発作性の呼吸困難や喘鳴(ゼーゼーやヒューヒューと音を立てて息苦しくなる状態)、咳などの症状をおこします。症状は明け方や天候の変化、風邪をひいたときなどで生じやすくなります。症状が一過性のため、そのまま放置されることもあります。

喘息の原因

ぜんそくの原因は様々ですが、大きく2つに分けられます。1つは遺伝的因子、もう一つは環境因子です。遺伝的要素が関与することも多く、ご両親が喘息などのアレルギー疾患を有する場合、喘息発症のリスクは高くなります。もう一つの環境因子はハウスダスト、ダニ、ペット、カビなどを代表とするアレルゲンの関与です。その他にも、風邪、天候(気圧、温度、湿度)変化、喫煙(受動喫煙)、運動、薬剤、月経、心因性・身体性ストレス、臭い、職業などが様々な要因が原因となって発症することがあります。

喘息の検査

問診

喘息の診断では、問診をきちんと行うことが大切です。喘息の特徴である発作性の呼吸困難、呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューという音がでる(喘鳴)、胸苦しさ、咳などの症状があるかどうかを確認します。
またすでに喘息と診断されている方であっても、コントロール状態を確認するうえで、問診はとても大切です。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

呼吸機能検査(スパイロメトリー)スパイロメーターという機械を使い、呼吸機能を調べる検査です。息を思い切り吸ってから、勢いよく吐いたときに1秒間で吐ける量を「1秒量」といい、喘息の重症度の判定などに使用します。
気道が狭くなっていると、「1秒量」が少なくなります。

1秒量の測り方

1秒量のはかり方

呼気一酸化窒素(FeNO)濃度測定検査

呼気一酸化窒素(FeNO)濃度測定検FeNO検査では、機械に直接息を吹き込み、吐いた息の中の一酸化窒素(NO)濃度の数値を測定します。FeNOの数値によって、気道の炎症(腫れて赤くなっている状態)の程度を知ることができます。FeNOの数値が上昇した場合、気道が炎症を起こしていることを示しています。気道で炎症が起きると、空気が通りにくくなり、喘息のさまざまな症状が起こります。

血液検査

血液中の抗原特異的IgE抗体、総IgE値、好酸球数などを測ります。
・抗原特異的IgE検査(アレルギー検査):アレルギーの原因(ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットなど)を予測します。
・総IgE値:アレルギーがある場合、数値は高くなります。
・好酸球数:数値が大きい場合、気道が炎症している可能性があります。

抗原特異的IgE抗体検査

アレルギーの検査です。この検査によりアレルギー原因物質が予測できます。

レントゲン検査

同時に他の疾患で喘息様の症状を呈している疾患を除外するために、胸部レントゲン写真撮影などを行います。

気管支喘息の治療

喘息治療の基本は非薬物治療と薬物治療が挙げられます。

非薬物療法

非薬物療法は主に「喘息の原因となるアレルギー物質の除去/回避」です。
特に環境因子による気管支喘息が疑われる場合は、原因となるアレルギー物質を予測するために当院ではアレルギー検査を行っています。
原因アレルギー物質は人それぞれ違うので、普段の生活の中で刺激になっていると思われるものを考えてみましょう。「猫を飼っている人の家に行くといつもくしゃみが出る」とか、「掃除をすると鼻水が出る」など、わずかな変化でも構いません。
アレルギー検査の結果から、気管支喘息の原因となるアレルギーを除去/回避する方法を提案します。

薬物治療

薬物治療喘息患者さんの気道には、慢性の炎症が起きています。毎日治療を続けることが大切です。症状がない時でも、気道の炎症は続いており、ホコリ、ダニなどのアレルゲンやタバコなどの刺激、ストレスなどが加わると、再び症状が現れてしまいます。ですので、症状がある時だけ、発作が起きた時だけ、治療をしても十分ではないのです。
薬物療法は、「症状が起こらないように毎日行う治療」と「症状や発作が起きた時に行う治療」の二つに分けられます。基本的に吸入ステロイドや気管支拡張薬が基本となります。
症状が起こらないようにするには、慢性の気道の炎症をおさえることが重要です。
基本の治療薬は、気管支の慢性炎症を抑える吸入ステロイド薬を中心に、気管支拡張剤や抗アレルギー薬などの薬剤をつかってコントロールしていくことが一般的です。大きく分けて、炎症を抑えることと気管支を広げることが必要です。
種々の治療を行っても症状が残存する重症喘息では、抗体製剤(皮下注射剤)が使用可能となっており、患者さんによっては「世界が変わる」ほどの効果を得られる場合もあります。
一方、症状が起きた時は、症状を早急に鎮めることが最優先なので、狭くなった気道をすみやかに広げる短時間作用性吸入β2刺激薬などの発作を抑える薬を使います。それでも症状が改善しない時や、苦しくて横になれないような状態の場合は救急外来をただちに受診してください。
大事なことですので、改めて言いますが、喘息は「毎日治療を続ける」ことが大切です。喘息症状がないときでも、気道の炎症は続いており、風邪やハウスダストなど炎症を引き起こす刺激が加わると、再び症状が現れてしまいます。そのため、喘息は、「症状がある時だけではなく、毎日治療する」ことが大切です。 

長期管理薬(コントローラー)

喘息症状をコントロールするために毎日使用する吸入薬や飲み薬。
気道の炎症を抑える薬や、狭くなった気道を広げる薬が使われます。
症状がないときも気道に炎症があるため、症状の有無に関わらず毎日、薬を続ける必要があります。
・吸入ステロイド薬:気道の慢性的な炎症を抑える薬
・長時間作用性β2刺激薬:気道を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬
・ロイコトリエン受容体拮抗薬:気道の慢性的な炎症を抑え、気道を広げる飲み薬
・長時間作用性抗コリン薬:気道を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬(最近では咳や痰を抑える薬として注目されている)

上記の薬剤でもコントロールできない場合に用いられる薬

・経口ステロイド薬:喘息症状の予防や重症の喘息息発作に用いられる薬。短期間の間欠的服用が原則です。
・生物学的製剤:喘息の気道炎症の原因をターゲットにした薬。2~8週間に1回、医療機関での皮下注射や自己注射で薬の投与が行われます。抗IgE抗体(ゾレア)、抗IL-5製剤(ヌーカラ、ファセンラ)抗IL-4受容体α鎖抗体(デュピクセント)などがあります。それぞれ作用機序が異なり、喘息症状の抑制効果は非常に良好ですが、高価であることが難点です。

発作を抑える薬

発作を抑える薬喘息発作を抑えるために使われる吸入薬。
気道を短時間で広げることで、呼吸を楽にします。
気道の炎症を抑える働きはありません。
・短時間作用性吸入β2刺激薬:狭くなった気道を速やかに広げる薬

毎日治療しないとどうなるのか?~毎日治療することの重要性~

毎日治療しないとどうなるのか?~毎日治療することの重要性~喘息の正体は気道の慢性炎症です。発作が起きた時だけ薬を使って、毎日の気道の炎症治療をおこたっていると、気道がますます敏感になり、発作をくり返すという悪循環におちいります。その結果、気道壁が厚く硬くなります。これを「気道のリモデリング」といいます。気道のリモデリングは、喘息の難治化につながります。
この悪循環をたちきるためには、気道の炎症をきちんと治療することが大切です。喘息治療は発作の時だけでなく毎日続けなければなりません。長期にわたり、適切な治療を行って、気道の状態を安定に保てば、健康な人と変わらない生活が送れるようになります。
症状が落ち着いても継続して定期的に通院し、喘息をコントロールしましょう。

発作を抑える薬

喘息と合併しやすい病気

喘息を持っている方は、鼻の病気を合併しやすいことが知られています。空気の通り道である気道は、鼻から気管支までつながっています。喘息は下側の気道(下気道)、鼻の病気は上側の気道(上気道)と、ひとつのつながった気道の中で発症するため、合併している方が多いといわれています。
また喘息を持っている方は、アレルギー体質であることも多く、アレルギー性の病気を合併しやすいことも知られています。
当院、柿本耳鼻咽喉科では、耳鼻咽喉科専門医やアレルギー専門医として、喘息のみならず起こり得る合併症も見逃さないように、患者さん一人ひとりに対してベストな治療を提案できるように努めています。気になる方は是非、当院へ一度お越しください。

アレルギー性鼻炎

ダニ、ハウスダスト、花粉などのアレルゲンに反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状があらわれる病気です。花粉症もアレルギー性鼻炎の一種です。

喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)のオーバーラップ(ACO)

喘息と COPD の両方の特徴があてはまる場合、ACO と診断されます。COPD は、主にたばこの煙が原因となり、肺に炎症を引き起こす病気です。身体を動かしたときに息切れがしたり、慢性的に咳や痰があらわれることが特徴です。

慢性副鼻腔炎

鼻の周囲にある 副鼻腔(ふくびくう )という空洞に慢性的な炎症が起き、鼻づまり、鼻水、匂いがわからない、顔の痛みなどの症状があらわれる病気です。

好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の中でも、とくに再発しやすく治りにくい副鼻腔炎です。鼻の中に、鼻茸とよばれるキノコのようなポリープができることもあります。好酸球とよばれる白血球が関係しています。

好酸球性中耳炎

治りにくい中耳炎で、好酸球が関係しています。膠状の中耳貯留液を特徴としており、耳が詰まっているような感覚や、耳が聞こえにくいという症状があらわれます。適切な治療を行わなければ難聴が進行するとされています。近年では早期診断にて抗アレルギー薬の内服と局所ステロイドの併用により聴力を温存できるようになってきています。また生物学的製剤の有用性も報告されています。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

以前はChurg-Strauss症候群と呼ばれていました。好発年齢は40~60歳代の女性に多く、喘息や好酸球性副鼻腔炎を発症してから数年以内(10~20年のこともあります。)に血管炎が起きる病気です。発熱、筋肉痛、体重減少、手足の指先のしびれや麻痺、心不全、腹痛、消化管出血、紫斑などの症状があらわれます。診断は臨床所見、組織所見を組み合わせて行います。治療は程度により異なりますが、基本的にステロイドが中心となります。

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

空気中のアスペルギルスなどの真菌(カビ)を吸い込むことで、気管支や肺でⅠ型、Ⅲ型アレルギー反応が起こる病気です。症状は喘息の発作と同様、咳や痰、喘鳴などですが、喘息治療に加えて全身性ステロイド薬の投与、抗真菌剤の併用などが必要になります。重症の場合は、息苦しさだけでなく肺炎症状を繰り返し、呼吸不全に至ることがあります。

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