- 当院長は漢方専門医を取得しており、漢方外来を行っています。
- 東洋医学と西洋医学のハイブリッド治療のメリット
- 漢方治療の特徴
- 以下のような症例において漢方治療を行います
- 漢方外来についてQ&A
当院長は漢方専門医を取得しており、漢方外来を行っています。
西洋医学での治療で十分な効果が得られないとき、あるいは長く不定愁訴にお悩みのときには、漢方薬での治療を検討されることをおすすめします。
柿本耳鼻咽喉科では、日本東洋医学会認定漢方専門医である院長が、漢方外来を行っております。当院の漢方内科の特徴は問診、舌診、脈診、腹診の4つの診療です。
保険適用での診療が可能ですので、お気軽にご相談ください。
東洋医学と西洋医学のハイブリッド治療のメリット
まず、東洋医学と西洋医学、どちらが優れているということはありません。
西洋医学では、ある疾患に対してピンポイントに緩和治療を試みるのが一般的です。集中的に患者様の主訴に応えられるという点が魅力です。
一方で東洋医学は、患者様の主訴に応える治療を、体質改善を含めて包括的に行うことができます。結果、主訴の解消を含めて身体全体の調子を整えることができます。
当院では、この両者の良いところを取り入れたハイブリッド治療を行います。基本的には西洋医学で対応し、不足しているところを補完的に東洋医学で対応するという形です。
このことにより、患者様の主訴に加えて、より細かな症状の改善・解消を図ることができます。
漢方治療の特徴
副作用が少ない
よく知られている通り、漢方薬は一般的なお薬と比べて副作用が少なく、安心して処方を受けることができます。ただしお薬ですので、体に合う合わないがございますので、服用して気分が悪くなられたら、内服を中止してください。
より細やかなオーダーメイド治療が可能
漢方治療は、患者様の局所的な症状だけでなく、体調をトータルで診て行われます。そのため、よりお一人お一人に寄り添った、細やかなオーダーメイド治療が可能になります。
西洋薬との併用が可能
西洋薬を使用して現れる副作用を、漢方薬を併用することで軽減することが可能ですし、多くの西洋薬で併用可能です。
不定愁訴、特定の症状に対する効果が期待できる
西洋医学が苦手としている不定愁訴に対しては、漢方薬による体質改善を基盤とした治療が有効です。
また、「漢方治療は即効性がない」というイメージがあるかもしれませんが、特定の難治性疾患などに対してはむしろ高い速効性を示します。
単剤で複数の症状に効果が期待できる
1種類の漢方薬であっても、多くの生薬を含んでいるためにさまざまな症状に効果が期待できます。また同じ薬でもいろいろな病気に効果を示すことがあります。
つまり同じ薬でもいろいろな病気に効果を示すことがあります。
治療費を削減できる
症例にもよっては、漢方薬の使用あるいは西洋薬との併用で治療期間が短くなったりしっかり治せるという意味で、トータルでの治療費の削減が可能です。また、体質を改善し病気に強い身体をつくるという意味でも経済的です。
以下のような症例において漢方治療が行われています。
- アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎で西洋薬が合わない場合(眠気や下痢、薬疹等)
- めまい、耳鳴りが繰り返され、西洋薬では軽快しない場合
- 咽喉頭異常感、舌痛症、聴覚過敏症
- 季節の変わり目に体調が悪化する、喘息が出る
- 更年期障害、冷え症、のぼせ
- アトピー性皮膚炎、じんましん、乾癬
- 食欲不振、便秘、下痢
- 自律神経の不調(疲れやすい、だるい)
- 肩こり、腰痛、関節痛、頭痛
- うつ、不安感
診察
診察は脈診(脈の勢いや数をとる)、舌診(舌の色調や乾燥、湿潤、舌苔の状態)、腹診(腹力やお臍周りの圧痛など)を確認し、病態を把握します。
漢方治療は、西洋薬では副作用があって服用できない方、治療方法がないと言われた方、体質改善や健康な状態を保ちたい方などを中心にさまざまな疾患が治療対象になります。ただし、各科専門医による西洋医学的な検査を受けて、はっきりとした診断名が必要で、疾患によっては漢方治療の対象にならない場合もあります。
漢方薬は高価だというイメージがあり、保険適用外の漢方薬もあります。
当院の漢方内科での治療は、保険適応の漢方薬を使用しており、一般的な治療と同じ1~3割負担で済みます。
一人ひとりの体質に合った治療方法
症状だけでなく、体質、体力の程度、ライフスタイルなどさまざまな要素から適切な薬を選定していきます。同じ症状でも異なる漢方薬が選定されることもあれば、まったく異なる症状でも同じ漢方薬が選定されることもあります。その時の状態に一番合った養生法を組み合わせていくことが大切です。
漢方外来についてQ&A
漢方医学と西洋医学との違いはなんですか?
西洋医学はそれぞれの疾患(病気)に対してそれぞれの薬物を処方しますが、漢方医学は患者さんの体質や身体の各症状に対して薬物を処方します。
つまり、西洋薬は高血圧には降圧剤、発熱には消炎鎮痛剤、細菌感染の場合には抗菌剤といったぐあいです。漢方薬は患者さんそれぞれの体質に合わせ、疾患(病気)の原因となっている身体のバランスの乱れを治すように働きます。
漢方薬は、何週間も飲み続けてやっと効果が現れるときいたのですが、本当ですか?
月日をかけて体質を改善していくものもありますが、即効性が高い(30分程度で効果が現れる)ものもあります。
効果が現れるまで何カ月も飲まなければならない、ということはありませんのでご安心ください。ゆっくりと効いてくるものであっても、服用開始後おおよそ1カ月で、継続・中止・変更の判断をします。
西洋薬との併用で注意することは?
漢方製剤の約70%に含まれている生薬の甘草中に含まれるグリチルリチンは一部利尿薬との併用により低カリウム血症がみられることがあります。また麻黄中に含まれるエフェドリンは中枢興奮作用があるため、高血圧や狭心症などの患者さんには注意が必要です。
めまいに対する漢方治療は可能ですか?
一般的な西洋医学的めまい診療を行った上で、漢方を処方したほうがよいと判断した場合にご提案いたします。漢方治療では、病名や症状名だけで漢方薬の種類が決定されるということはありません。診察は耳鼻咽喉科とは違い、詳細な問診と舌診や脈診、腹診を行い、総合的に判断した上で、処方いたします。漢方がどうしても飲めない方は、西洋医学のみでの治療も行っておりますので、めまいでお悩みでしたら一度ご相談ください。
副鼻腔炎の場合、どのような漢方が処方されることがありますか?
一般的には辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、葛根湯加川辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)などを用いることがあります。
もちろん、症状が取れず、他の病気やアレルギー、症状の有無、身体の調子によっては、上記以外の漢方薬を使用することもあります。